小西康陽と言えば、もちろんピチカードファイヴの小西であり、DJ、作曲家、音楽プロデューサーとして活躍する小西である。音楽を聴いて、そのセンスの良さに心弾む事が多いのだけれど、私にとって、小西康陽と言えば、実はコラムニストとしてのイメージが思い浮かぶ。特に、彼が映画について論じているモノは、本当に映画への愛と歓びに満ち溢れている。かってイーストウッドの「ガントレット」やレスターの「ナック」やアルドリッチの「特攻大作戦」を語っていた時の文章の何と素晴らしかったことか!今作はこの15年間に様々な活字媒体に掲載されたコラムを選択抜粋した1冊。購入して1週間、合間を見つけて読み続けているのだけど、未だ完全読破できないヴォリューム&濃縮感(笑)。映画について言及しているモノが少ないのが残念だが、でも、やっぱりイイよなぁ、この感性。世界中を旅しながら、大好きなレコード、本、ファッション、食べ物を貪る。パリ、ジャズ、ポップ・ミュージック、スウィギング・シクスティーン、ヌーヴェル・バーグ、渋谷系、、、俎上にあげられる対象への愛がみなぎっていて、読んでいる側も浮き浮きしてしまう事確実なのだ。そして博覧強記で切なさも秘めた軽妙洒脱なコラム群の序盤でページをめくる毎に目につく“戦争に反対する唯一の手段は?”とは果たして何なのか、本文中のあるコラムで示されている答えのその明晰さとイズムに小西の想いを感じる。