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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
複雑な気持ち,
By 桃鯵 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ぼくは偏食人間 (ラッコブックス) (単行本)
今回は日記形式になっている。そこには 彼個人の事情が盛りだくさんだ。過程の事情、食べられないものの話、編集者とのトラブル、騒音との戦い・・・。 全てが彼の考え方、彼と他人とのトラブルなどの<日常>で構成されている。哲学、考察抜きの日記なのだ。自分についての著作はこれで何冊になったことだろう? 自己愛の強い人だなぁとつくづく思う。彼の思想だけでなく、彼個人に感心を抱いている私としては、この本は読んでいて非常に興味深い。 なかなかおもしろいのだ。 が、やはりこの赤裸々(?)な内容、速すぎる出版のペースなどを考えると、その背後に本には書けない何かがありそうで、それを想像すると複雑で、微妙な気持ちになってしまうのだ・・・。
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
感受性のマジョリティへの反旗,
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レビュー対象商品: ぼくは偏食人間 (ラッコブックス) (単行本)
「食物の偏食」ばかりではなく「音の偏食」「照明の偏食」「言葉の偏食」「態度の偏食」「組織の偏食」ぶりを紹介し、日常生活のなかでいかに戦い、傷つき、挑んでいるかを日記の形で公表。日記であるから私生活(とくにその結婚生活)にまで触れるが、ここまで書いてしまっていいのかなとちょっとはらはらする。鈍感で横暴な、感受性のマジョリティへの告発だが、自分の実感からすべてが発想されているところはいつものとおりだ。それにしても氏の周囲にはなんと納得できないことが多発するのか。日刊ゲンダイの記者の尊大な態度。文庫の解説の文章が気に入らず一悶着。ミュージカルのパンフレットに書かれた文章での行き違い。さらに追い打ちをかける家庭の事情のあれやこれや。そんななか、ときに「技巧的錯乱」に自分をもっていく高等技術があったりし、なんども噴き出しそうになる。 某出版社の理不尽な自作の取り扱いに、「何度確かめても一滴の落ち度もない」と確信し、突如、残忍な責任追求家に変身する。そしてこれから訪れる厭なことに心ときめかし、その興奮のなかで、なぜ自分は鳥肉が嫌いかを分析して眠りにつくところなど、自分ではニコリともしない芸人の笑いに通じるたくまざるユーモアがある。しかし興奮のあとには苦い悔恨が・・・。 ときに、そんななかで、鬱々とした人生が突如、光を放つような一瞬もある。私が好きなエピソードのひとつ。電車のなかで隣の少女が五分以上も携帯電話をかけているので注意をする。少女、無視する。再度、注意。少女、ひじ鉄。検札の車掌に言う。少女がヒステリー状態でわめく。二人して次の駅で下ろされる。駅長室でのやりとり。かねてよりの自説主張。少女、泣く。あやまる。駅長室を出ると、少女がそこにいる。「おじさん、おもしろい人だから連絡先教えてください」。少女の感性は正直だ。この正直を引き出してしまう説得力こそが、この人の魅力の根源でもある。
1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
人間は適当な方が無難だとわかる本,
By keiji44 (東京都港区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ぼくは偏食人間 (ラッコブックス) (単行本)
哲学者の日記的行動記録。このひとは「うるさい日本の私」という著書があるほどで、世の中
の騒音が嫌い。それだけではなく、例えば商店街の電気屋の呼び込みがうるさければ抗議に 行き、聞き入れられなければスピーカーを持ち去る、捨てるなどの実力行使も厭わない。電車 内やホームでのアナウンスにも抗議を繰り返し、電車業界(?)では一種の有名人のようだ。 それだけではなく、何ごとにも原理原則を重んじる著者は行く先々で悶着を惹き起こす。 レストランでは注文した品が手違えで後から来た客より遅ければ即抗議&キャンセル。 スーパーの駐車場の電灯が明るいうちから点いていれば即注意。出版予定の本が指定 した色と違うと聞けば、印刷済みでも即やり直させる(ここらは編集者も悪い、というより 本書中には何人も奇矯な編集者や出版業者が出現する)。 さて、こういうひとの家庭はどうか。もろちん、うまく行くわけがなく妻と長男は別居中。 「辛いときに助け合うのが家族」という妻に対し、「理解はするがそういう紋切り型の信念 を声高に持ち出すのはイヤ」という始末。こうしてみると「人間万事適当」が大事だという ことがわかる。
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