表紙には崖の淵にたたずみ、遠くをみつめる少年の姿が描かれている。
誰もいない世界の果てということが、空間的に示されているのだが、
これは、時間的なものに置き換えてみることもできるだろう。
地球が誕生してから現在までを25mプールの端から端までとすると、
文明が生まれたのは、ほんの1mmにも満たないそうだ。
大きな時間の流れの中でみれば、我々の生きている時間は正に崖っぷちともいえる。
少年のいる大地の下には、かつて栄華をきわめた恐竜の姿が亡霊のように
描かれていることからも、ここは生命の歴史が凝縮された空間ともみてとれよう。
そんな崖っぷちへ、怪しい実業家が表れて、ここをレジャーランド化してしていく。
巨大なホテルや派手な娯楽施設が次々に建設され、おおいににぎわうのですが、
ちょっと先は崖っぷちの存在が。風光明媚なロケーションは危険と裏腹なのですが、
それを気にしない観光客をみていると、えも言われぬ不安は次第に増加します。
始めは楽しんでいた少年も違和感に気付き、ある決意をします。
それを人類に対する可能性とみるか、諦めとみるかは解釈が分かれるでしょう。
デイズニーランドやユニバーサルスタジオを世界に広げた国の
作家がつくっているだけに、これはリアリティがあり迫力ものです。
後半のカラフルな花火や電気の青白い光が、ボクには別のものに見えてなりませんでした。