この本は、「一年間お金を使わないで生活する」と宣言した著者の、その一年間の生活ぶりを実践方法とともに記した本である、、、というのは間違いでは無いが、正しい解説ではない。
確かに私も「どうやったらそんなことができるのか?それを知りたい」という気持ちでこの本を読み始めたし、それに対する具体的な回答をこの本から得ることができた。しかし、この本の最重要部分は、金無し生活の実践について書かれている前半部分ではなく、金無し生活の実践によってもたらされた著者の心境の変化と「豊かさ」についての新しい考え方が述べられる後半部分である。
「お金がたくさんあっても幸せとは限らない」と多くの人が言う。しかし、「お金なしで幸せになるには、どうすれば良いのか」について具体的に示した本は、そう多くなかったと思う。著者は金無し生活の実践という裏付けを持って、人生を豊かに生きる方法の具体例のひとつを示している。そう、これは生き方についての本、つまり哲学書です。