ストーリーの展開は比較的テンポ良く、読みやすい作品だ。
けれども、この作品に描かれている背景には観光と開発、基地と経済、沖縄戦と不発弾などといった構図がある。それは、ある意味で戦後から今日に至るまでの沖縄が内包し、直面してきた問題でもある。
加えて、グスク(ウタキ)とシマ(ムラ)という関係は沖縄の人でなければ、理解しづらいものなのかも知れない。そういった意味では、沖縄に住んでいる人、もしくは住んでいたことのある人こそ一読すべきだろう。
一方、そうでない人にとっても、昨今の沖縄ブームにおいては見過ごされがちな沖縄の「陰」について、改めて考えさせてくれる作品になっていると思う。