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ぼくのともだち
 
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ぼくのともだち [単行本]

エマニュエル・ボーヴ , 渋谷 豊
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

パリでもっとも不器用な男の話。孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!…実際、友情を示してくれる人には、ぼくはとことん優しくなれる。年金もベッドも独り占めしない。逆らったりなんか絶対にしない。ぼくの望みは、その人の望みを叶えることだけだ。犬みたいにどこにだってついていく。その人が冗談を言ったら、ぼくはきっと声をあげて笑うだろう。もしも誰かがその人を悲しませたら、ぼくは涙を流すだろう。

内容(「MARC」データベースより)

「孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい!」 パリ郊外、孤独な日々を送る青年ヴィクトールは、すれ違う人々となんとか心を通わせようとするのだが…。世にも悲しいユーモアを漂わせた、パリでもっとも不器用な男の話。

登録情報

  • 単行本: 211ページ
  • 出版社: 白水社 (2005/11/15)
  • ISBN-10: 4560027374
  • ISBN-13: 978-4560027370
  • 発売日: 2005/11/15
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 349,363位 (本のベストセラーを見る)
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16 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 この主人公の持つ弱さ、臆病さ、浅はかさ、傲慢さ・・・これって今となっては懐かしい太宰治のエッセンス、そう“自意識過剰”ってやつである。実際エマニュエル・ボーヴは太宰と同時代の作家で、この頃って“自意識”っていうのが世界的にも文学の主題だったのだな、ということがわかる。この太宰的なるもの、“自意識過剰”って、青春のはしかっていわれた時期もあるけど今時はどうなのだろう。やはり普遍的なものなのだろうか?それともコージ苑の太宰のように“ネクラ的なもの”ってことでポストモダン的に雲散霧消しちゃったのだろうか?確かなのは、久々にこういうのを読んで、とっても新鮮に感じられたって事実である。

 この小説、一言で括れば、怪物ランド平光琢也のウソップランドネタ「だって友だちになりたかったんだもん・・・」なのだが、“友だちが欲しい”っていうのは、はっきり言ってしまえば自己存在感、アイデンティティーの問題なのだ。他人に認められたいって、いっつもこの主人公は思っている。でも本当にほしいのは“友だち”じゃなくて“自分”なのである。結局、“自分に都合の良い友だち”だけを求めている主人公にはいつまで経っても友だちは出来ない。主人公にとっては“自意識、妄想”こそが友だちなのである。

 この小説は、主人公の救いようのない底なしの孤独と、その裏腹の他人への期待過剰、勝手な思い込み、余裕のない自己中心ぶりを、客観的に、ユーモア、ペーソスに転化している。やっぱ、こういう心理状況って“青春のはしか”的通過儀礼として、多かれ少なかれ誰にでもあるものだと思うし、主人公の置かれている境遇が今で言う“ニート”である、という時代性もあってすっごくフレッシュである。これ、若い人にはとっても良い小説なんじゃないでしょうか。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
若い頃の自分に似ている。

今は、少し成長したハズ・・・つもり?

身に沁みる本です。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:単行本
タイトルは「ぼくのともだち」なのだが、書かれているのは「ともだちになりそこなった人たち」5人との話になっていて皮肉である。そもそもエピローグで主人公ヴィクトール・バトンの生活ぶりと近所の様子が書かれているが、これを読んだだけでともだちになりたいと言う気がうせてしまう。

主人公は、第一次世界大戦で左手を負傷し、傷痍軍人年金で暮らしている。「働かないこと」=自由という信念で生きている主人公は、まるで元祖「ニート」である。従って、だらだらとした日常を送っており、最後にはアパートを追い出されてしまう。

そもそもこの主人公は、「孤独感」にさいなまれ、誰かにかまって欲しいし、誰かに愛して欲しいことを常に望んでいる。ところが、冒頭から彼の自己本位な考え方を知ってしまうと、ともだちがいなくて当然かなと思えてくる。周りの人を観察する眼は優れているのに、いざ付き合うとなると自意識過剰で被害妄想的な性格が頭をもたげてきて、何もかもだめにしてしまうのである。

そんな暗くなりそうな話なのに湿っぽくなっていないのは、作者のユーモアのセンスに溢れた筆致故だろうか。「哀しいユーモア小説」と訳者は評しているが、その通りだろう。
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