「オカンの嫁入り」から入って立て続けに読んだ作者の作品。
どれもほのぼのとして、ふんわりとして、温かく、なのにどこか日常から
離れた雰囲気を醸し出していると思う。
この作品も前二作と同様、一家族とそれに関わる数名の人間の
言うなればホームドラマ。
男と男が一緒になるという自分とは異なる価値観の持ち主の主人公
ではあるが、描写がしっかりされているので、とても感情移入しやすく
入り込みやすい作品だと思う。
ペットの描写はまた素晴らしい。(私は作者の作品を読んで、ペットが
飼いたくなった)
ただ、作者の作品はどれも全く同じ雰囲気で、ほのぼのとして始まり
ほのぼのとして終わる。
「癒し」として読むには充分であるが、何か自分の内にある「気付き」を
求めて読むには少々物足りないか。
私の感想としては、「深さと鋭さのない江国香織」といった感じだ。
ただ何だかんだ言ってこういった作風はとても好きなので☆4つ。