“ぼく”が毎月出した手紙が1年分。それと毎月“ぼく”のところへ
やってくるおきゃくさん12人の紹介で構成された作品。
おとぎ話からとタイトルにあるように、手紙の相手はとってもユニーク。
たとえば“ぼく”の身の回りのものが旅にでかけていたりするんです。
帽子、くつ、スケッチブック、陶器のロバ、などといったものがね。
手紙はそんな彼らに宛てて書かれているのです。
病弱で自由に外へ出れない子供がいて、外の世界へのあこがれを、
手紙というかたちで身近な物に託しのかなあ…
なんて勝手に想像し、勝手にグッと感動してしまいました。
おきゃくさんたちも、“ぼく”のオルゴールや“ぼく”のフライパンや
“ぼく”の手袋といったかんじで独特の世界が続きます。
ともすれば自己満足になりがちな内容を、いやみなく描いてみせる
あたりは、さすが荒井さんですね。
そういえば、先月から出かけている“ボクの思い出”はいつ帰って
くるのだろうか? 手紙くらいくれてもいいのに。