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このおじさんは「週に八時間だけ大学で働いている」うだつの上がらない学者崩れで、一つ外国にでも行けば見聞が広がって自分の存在価値もあがるに違いない、しかし、勉学で外国に行くのは息苦しいから遊学が良い。そうだ、外国旅行の懸賞に応募して世界一周をしてやろう、などと訳の分からないことを言って、ハワイ旅行の当たる「三角ウイスキー」を周囲に勧めまくる。それだけではない。家族の者に(おじさんは、兄家族の家に居候している)、ガムは鳥印フウセンガム、コーラは四ツ星コーラ、チョコレートは甘辛チョコレートしか買ってはいけないと言い聞かせ、本人もなけなしの貯金をはたいて、食べて飲みまくる。いずれも、一等に当選すると、ハワイや南米やヨーロッパに行けるからだ。
このおじさん、若かりし頃の作者がモデルなのだそうだ。確かに、自伝的要素の強い「どくとるマンボウ医局記」にも、お見合いやら居候のことやら、似たようなエピソードがたくさん出てきていた。愉快だろうが、近くにいると、楽しい以上に実害も多そうなおじさんである。さて、このおじさんの外国旅行は果たして叶うのか。それは、読んでのお楽しみ。私も、一度でいいから懸賞に当たって海外旅行をしてみたい。
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