アカデミー賞を受賞した「スラムドッグ$ミリオネア」の原作本である。映画を3ヶ月ほど前に見て、良かったが、インドの下層社会の描き方がけっこうえげつなく、ストーリーとしてはよかったものの、気分が重たくなるような感想だったが、原作本はもっとスマートに主人公の逆転劇を描いていた。
児童虐待、犯罪、貧困、病気と不幸の盛り合わせのような主人公が、ぎりぎりの生活を明るく続けるなかでしたたかに生きる力を得る。それらが10億ルピーをかけたクイズの答えと結びついてゆく。
それぞれの章はコンパクトで1話完結型、主人公のエピソードと最後にクイズ回答シーンが繰り返される。これが面白くてどんどん次の章を読みたくなる。
これほど引き込まれた本はひさしぶりだ。読後感もよい。文句なしに5つ星であり、この著者のほかの本も読んでみたい。