高校二年の夏、同級生の女の子が死ぬ。刑事の父親と二人で暮らす「ぼく」は、友達の麻子とともにその真相を調べることになるが・・・
樋口有介氏の鮮烈なデビュー作。プロットだけに注目するならさほど目新しくはない。大人たち―刑事の父親と彼が好意を寄せる女教師を主人公に据えれば、二時間サスペンスになってしまいそうな素材。そうせずに高校生の「ぼく」に探偵役を割り振り、青春ミステリーとして描いて成功。この「ぼく」がかっこいい! つまりストーリーより、人物造形やディテールが断然すぐれているのだ。大人びた主人公がかっこよくて、セリフに工夫があって、個性的な美女が出てきて、脇役で笑わせられて、ほろ苦い結末が用意されていて・・・まさに高校生ハードボイルド。初版刊行時に読んだが、こうした青春ハードボイルド風作品は新鮮で、とにかく強烈だった。
樋口氏の小説が続々と復刊され非常に喜ばしいが、本作品は外せない! 夏に読んだ方が雰囲気が出ると思うが、それまで待たずに今すぐ、ぜひ!!