銀行をつくりたいと免許取得の相談をするために金融監督庁に行ったときの話から、たった3人のプロジェクトメンバーが集まるまでの話、プロジェクトの説明をするためにソニーの当時の大賀会長、出井社長ら経営トップに会いに行ったときの失敗談などをはじめ、開業までの経緯やその間起こったさまざまなできごとが、十時個人の目線から感想を交えてユーモアたっぷりに語られている。読んでいると、「ソニー」という看板を掲げた話題性のある会社の設立も、始まりはほんのわずかな人々のアイデアと地道な作業に支えられていることが感じられる。
しかし少し意地悪な見方をすれば、ソニーという親会社をバックに従え、資金繰りにはなんの心配もない会社設立ストーリーで、ビジネス開業までの苦労話や感動秘話、まして開業のノウハウなどは期待できない。
これは、あくまでソニー銀行の設立メンバーが、設立までのいきさつを一般の人に向けてつづった、笑って読めるエッセイであり、ソニー銀行の設立者たちの人柄や会社の雰囲気を伝えるための本である。それを踏まえて本書を手にとれば、ソニー銀行に興味のある人は楽しく読めるに違いない。(大角智美)
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