イギリスの男性絵本作家ディーコンさんとドイツの女性絵本画家シュワルツさんが協力して著しイギリスのロアルド・ダール賞最終候補作となった愉快な動物絵本です。
丸くて小さな暗い穴の中で安心して暮らしていた七匹の仲間達でしたが、ある日とうとうみんなが大きくなって出て行かないと仕方がなくなりました。慣れ親しんだ暗い家からいきなり明るい外へ出た七匹は不安になり、手袋や靴やティーカップといったいろんな物を頭からかぶっておっかなびっくり一歩を踏み出すのでしたが・・・・。
さて、この絵本の主役の動物の七匹の仲間達は一体何なのでしょうか?何となくモモンガに似ていますが、でも良く見ると皮膜がありませんので違うみたいですね。それから、みんな穴の中に入り込む前はどこで生まれたのか?両親とはぐれてしまったのでしょうか?そういった疑問が浮かびますが、それは全部この物語とは関係がなく最後まで語られません。でも、みんな海や砂漠の存在をちゃんと知っているのが面白いですね。物語は最初不安でしょうがなく消極的だった七匹の仲間達が、新しい家を探す為にと次第に積極的になりみんなで力を合わせて人間の廃品置き場に乗り出して行く大冒険をユーモラスに描いています。そしてクライマックスでのみんなが勇気を出して巨大な怪物に立ち向かうそれぞれに体は小さくても気迫のこもった大活躍がお見事で、それまで頭にかぶっていた小物類が最後に重要な役割を果たすのもお話として上手く出来ていると思います。やっぱり穴から始まった物語は穴で幕を閉じるのがすっきりしますね。作者は最後にマンガ絵本に更に粋なアイディアを加えて本書の原題「a place to call home〜いつか帰るところ」にぴったりの心安らぐエンディングで締め括ってくれています。吹き出しのセリフが多くマンガを読む感覚で楽しめる、狭い穴の中から旅立つ七匹の仲間達の勇気ある活躍を描く笑いと希望に満ちた素晴らしい絵本をあなたもぜひお楽しみくださいね。