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立花氏は現代日本を代表する知識人として名高いが、自らの蔵書のためだけにビルをひとつ建てたというほどの本持ちである。そんな立花流の読書術でいちばんおもしろかったのは、
「本の大部分は、そもそも読み通す価値がない本だ」
という一言である。日本では年間6万5千点の新刊が刊行されるそうだが、そのなかで手に取ることのできる本は限られている。そのなかで少しでも多くの良書にであうには、「音楽読み」と「絵画読み」の使い分けが有効だ。音楽読みとは黙読のことで、文字を眼で追っていく普通の読み方である。大事な箇所はこの読み方で読む。そうでない箇所は、文字を読まず、見るだけにしてどんどんページを繰っていく。これが絵画読みだ。この方法でも、大事な単語は認識できるので、重要な部分にあたったらそこだけ音楽読みする。こういう工夫なしに、1日5冊も10冊も読むのは不可能だ。試してみる価値はありそうである。ただし、小説、ミステリなど楽しむ読書には向かない、とのこと。
書評では300弱の本を取り上げているが、これがまた非常に範囲が広い。科学、オカルト、歴史、哲学、宗教、政治、経済なんでもあり、である。氏の博学の源泉を垣間見ることができて、これも興味深い。本書の書評では、批判や身辺雑記を廃し、内容紹介につとめた、という。この点においても読みやすく、次によんでみたい本の道標になるだろう。中でも氏が万人必読とした3冊、
・奪われし未来
・多様化世界
・検証バブル 犯意なき過ち
をまず、読んでみたいと思う。
立花氏曰く、「大切なのは興味を持つことで、興味があるものは集中力を増し早く読める。そんなに急に速読が出来る簡単な方法はない」と言っています。
ただ、そうは言いながらもとても役に立つ速読のコツを随所に書いておられます。とくに、参考になったのは英文の資料の速読コツです。立花氏曰く、「英文は構造上、パラグラフのいちばん最初に要点が書かれているので、それだけ読めば著者の言いたい事のほとんどは理解できる」との事でした。これは、仕事などで時間がないときの資料の読み込みに本当に役に立ちます。
また、キーワードや要点をフローチャートにまとめて、ビジュアル化する立花氏の方法も非常に役に立ちます。
速読の本では、この本とホワイトハウスのスタッフに速読を指導したPeter Kump (著), Prentice Hall (著)の書いた‘Breakthrough Rapid Reading’が非常に参考になりました。
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