共にアメリカ在住の報道記者兼作家ブラッドビーさんと大韓民国出身の画家スーンピートさんが力を合わせ19世紀のアメリカの黒人教育家ブッカー・T・ワシントンの少年時代の感動のエピソードを基に作り上げた絵本です。
パパとジョン兄さんとぼくはまだ暗い内から起き出して何も食べずにお腹が空いたままで岩塩の精製所で働くんだ。塩をシャベルで樽に詰める時の腕の痛みを考えない様にして、9歳のぼくは、本が読みたい、字を書いてみたいといつも心の中で夢見ている。帰り道にぼくと同じ黒人の男の人がみんなに向かって新聞を読み上げている光景に出くわし、ぼくの心に希望がわいて来たのだった。
パパもジョン兄さんもブッカー少年の気持ちを全然わかってくれない中で、ママが「字を習いたい」という少年の望みを真面目に理解してくれて貧しい暮らしの中でお金を工面して綴り方教本を買い与えてくれた事は、少年にとって幸運で本当に良かったと思います。でも本を見つめているだけでは何の役にも立たず、やっぱり駄目かと疑いの心が忍び寄りかけた時に諦めないで次の一歩を踏み出す少年の勇気ある行動力が素晴らしいです。そして、初めて文字を読む体験をした時の少年の腕を高く上げて飛び上がって大喜びする姿に、忘れかけていた新鮮で素直な感情が呼び起こされ心が深い感動で満たされました。この場面を読んで、彼がこの大感激した純粋な喜びの気持ちをもっと多くの人に伝えようと後年教育に生涯を捧げた心情が深く理解出来たと思います。小さなお子さんに今の時代の当たり前に文字が読める教育のありがたさや本を読む事の幸せに改めて気づかせてくれる感動の絵本を多くの方にぜひお奨めしたいと思います。