湖の島に住んでいる「こびと」のおかあさんと三人の子どもたちの家は、すてきな「ぼうしのおうち」。お留守番をしていた三人は、ぬれた服を乾かそうとたき火を始め、おうちを燃やしてしまいますが……。
「こびとのおじさん」はどう見ても「こびとのおじいさん」だし、おかあさんがあっさり「モグラのぼくし」の立会いで結婚してしまうのも驚き! いつもながら、ベスコフさんのお話の脈絡のなさというか、すっ飛んでいるところがどうにもたまらなく魅力的。
でも、子どもたちが火に魅入られてしまう場面では、子どもに戻ったような気持ちにさせられます。これはスウェーデンのお話――おかあさんのかごは「シラカバ」で作ったみたいだし、「ワタスゲ」は寒いところの植物。家がどんなに大切で、大敵の火はどんなに怖いか、という教訓が隠されているのかもしれない。とはいえ、子どもたちは「ハチミツクッキー」がもらえない、となげいているのですから……小さい子の考えることはみんな同じですね。
ベスコフさんの軽いタッチの絵と余白の多いページも、北国の清々しい空気を伝えてくるようです。最近は菱木晃子さんというすばらしい翻訳家さんがいるので、これから先も、北欧の楽しいお話をどんどん読めそうで、楽しみです。