中曽根康弘元首相は、原子力のスタート段階から、核燃料サイクルが国策として決定済みだったと明かす。長期的なエネルギー戦略の一環として、費用がかかってもリサイクルを進めた方が日本にとってプラスだと説明する。
著者も対談相手の専門家も原子力発電推進に賛成の立場に立つ。「新エネルギーを過大評価してはならない」「日本のエネルギー事情全体に影響を与える重要な事柄が、ある地域の首長の決断にかかることには問題がある」など、注目すべき発言がなされている。
(日経ビジネス 2005/03/21 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
直径5ミリ、高さ8ミリの円柱の「プルトニウム燃料」1個でどれくらいの電力がまかなえるか、ご存じだろうか。なんと標準家庭4カ月分の電力が供給できるのである。原子力発電のためにウランを燃やすが、じつは実際に燃える部分は5%ほど。そこでウランの「燃え残り」からリサイクルによってプルトニウムを取り出して再利用しようというのが、わが国の方針である。そのプルトニウムを取り出す施設が青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場だが、施設が完成期を迎えつつあるときに、「怪文書」が流れた。ウランの「燃え残り」を再利用するより、そのまま埋めてしまったほうが国民負担が軽いという趣旨である。なぜ、そんな「怪文書」が出たのか。国策と決まったものをいまさら変更すべきなのか。原子力発電の現場を数多く見てきた著者が、専門家に話を聞いて回り、日本を騒がせている核燃料サイクル問題の核心と本質を問いただしたのが本書である。
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