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ほんとうの復興
 
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ほんとうの復興 [単行本]

池田 清彦 , 養老 孟司
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ひとつになるな日本。目の前にある現実は、問題ではなく、答えである。ここから、何を、どう、考えていけばいいのか?天災にしばしば遭うことが宿命づけられているこの国の社会的特質と、人災としての原発事故の根本にある情理を、鋭く深く論究する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

池田 清彦
1947年、東京都足立区生まれ。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。生物学者。現在、早稲田大学国際教養学部教授

養老 孟司
1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。解剖学者。1995年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。1989年、『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 170ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/06)
  • ISBN-10: 4104231088
  • ISBN-13: 978-4104231089
  • 発売日: 2011/06
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By 「料理研究家」研究家 VINE™ メンバー
 菅首相が「脱原発社会をめざす」ということを表明した(2011/7/13)。ドイツのメルケル首相についで、非常に評価できる発言であると思う。まず国家の首長がどのような国家を目指すか表明することは、政治の根幹である。それに対して、メディアは、すぐに、原発のある自治体、具体的には、各町、村長らに、意見をうかがい、それを載せている。「賛否の声」などと言いながら、いちばんヒステリックな否定の声を見出しにとり、否定的意見ばかりを載せている。
 果たしてこれらの、町、村長が、原発問題をどれほど深く理解し、行動しているのか。自分の町、村に、原発の建設を許したということは、いわゆる「賛成派」で、かつては、電力会社のいいなりになっていて、今頃、どちらについたらいいかわからず、「おらがの利益」を念頭に、玉虫色になっているのではないか。

 本書は、養老孟司との共著ながら、基本的には脱原発なのだろうけれど、文章がしどろもどろで理解しにくい養老氏の部分はさておき、池田清彦の、「エネルギーは未来を決める」という論文は、菅首相の行き方を論理的に、代替エネルギーの可能性も、具体的なデータを交えながら、説明されている。福島第一原発で最も深刻な事実は、「地域社会という国民の生活根幹を破壊した」ということである。氏は言う。「人一人の命を救うために、社会システムが崩壊したらそれこそ大変である。個々の人の命は社会にとってはかけがえのあるものだ。しかし、崩壊した社会システムを元に戻すことはできない」。
 「人が生きるということは単に命をつないでいることとは違う。生活基盤と地域社会の絆をすべて奪われ、復興のあてもない人々に、ただちに健康に被害がないし、誰も死ななかったのだから、原発は安全だ、などとどの面さげて言えるのか」

 「原子力産業は、原発を止めたら国民生活は破壊するという脅しと、原発はきちんと動かせば最も安上がりな発電装置だという屁理屈で、原発の廃止を抵抗するだろう。計画停電などというのも、原発がなくなったら大変だ、という脅しの一種かもしれない」

 そして、エネルギー利用の、短期、中期、長期的な具体案を提出している。決して単純な問題ではないが、ひとつひとつをじっくり検討し、冷静に対処していかなければならない。本書を読めば、菅首相が一見「迷走」と言われる態度となって表れている行動も理解できることと思う。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
養老孟司と池田清彦による東日本大震災に関係する文章と対談から構成されている。

どういうふうにリライトされたかまではわかりませんが、養老孟司の文章や意見はしっかりしています。養老孟司はドイツやロシアの人々をならって日本人も住居を二つ持つようにしてはどうだろうかと提案している。二住居制である。それにより災害時の避難所を個人単位で確保できるようになる。養老孟司の二住居制の提案は国土交通省の委員会でこの不況時には贅沢だというような批判を浴びたようですが、真剣に災害時の危機管理を考えたら合理的だし悪くない提案である。

日本社会がもっている戦前と同様の政治の仕組みの欠陥の指摘もされている。兵卒は一生懸命頑張るのに指示する人間が駄目だという。

池田清彦は農家個別補償や子ども手当てなどを停止して、3兆円程度の復興費を即座に出したらどうかという主張をしている。もっともな意見ですが、復興費用を中心に据えた第三次補正予算案が参議院で可決したのが11月21日である。非常に遅い政治的決断である。

東京と地方間の格差というのか差別の構造にも話題が及んでいる。池田清彦は東京の人間が福島や新潟などに原発を置いておくのは危険な施設を自分たちから遠ざけておきたいという意志のあらわれであると観察している。

養老孟司は原発施設事故の問題について、日本政府は関係者を免責にするのと引き換えに洗いざらい調査をするべきであるというように主張している。これも納得できる意見ですね。

話題は地球の人口増とエネルギー問題にまで及びますが、人口増の問題については、第三世界の教育の水準が向上することにより収まるはずです。エマニュエル・トッドは識字率が上昇するとその地域では女性たちが出産をするかどうか自発的に選択しだすという主張をしているし、今後、世界的に識字率が上昇していくと観察している。だから、近い将来に全世界の人口増加率は低下していくでしょう。都市化の進行と教育の普及が進めば、どんな地域でも人口の増加率は低下します。第三世界でも教育制度が整いさえすれば、女性たちは強制されなくとも高校や大学などの学校を卒業するまでは出産を控えようと自発的に考え出すはずです。だから、世界の人口増加については、さほどの不安を持つ必要はないでしょうね。
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By F-plant
「人類の未来は新エネルギーの開発いかんにかかっている」
本書の著者2人の持論は、この言葉に集約されています。

現代社会は、エネルギーの供給に比例して発展してきた歴史を持ちます。

100万年単位でため込んできた石油を、たかだか100年くらいで使いまくった結果が、現在の地球の姿だと、著者らは指摘します。
そして、資源にかげりが見えてきた時、次に人類が目を向けたのは、原子の力だったと…

高度な知識と技術が必要とされる反面、放出されるエネルギーもすさまじい。
その巨大な力を制御できるかどうかが、当面の課題かと思われていた所に、今回の地震です。

本書では、生物学者の池田と、解剖学者の養老が、対談形式で語ります。
東日本大震災に端を発しますが、論はエネルギーの話に終始します。

何故なら、復興にはエネルギーが必要で、そのエネルギー供給の拠点が、想像以上に脆弱だったという話…
であるならば、そもそもの根本から問い直さなければならない という顛末です。

毒味を増して盛り上がる、2人の話を、一部抜粋します。

「電力会社の発電所に電気がいかないなんて、これは、ほとんどブラックジョークでしょう」
「逆に、制御室に電気が通ったときには、それがトップニュースになりましたからね」
「そう。発電所に電気が灯ったということがトップニュースだよ。
 だって、日本随一の東京電力の話なんですよ。何だ、それ?って」
「バックアップがどれも全部バックアップになっていなかったわけでしょう。
 いっぺんにダメになるものは「バックアップ」とは呼べないんだよ」

2人の話は、原発を廃止にするのと併行して、代替エネルギーを推進するという結論に至ったようです。

日本は石油を外国から買わなければいけないという、強迫観念でノイローゼになっている。
そうまでして無理に石油を買わなければいけないぐらいなら、使わなければいいじゃないか。
石油を使わないってことは働かないで済むってこと。
そのほうが楽ではないか。

こういう指摘には、妙に納得させられる側面もあります。

「ほんとうの復興」の鍵を握るエネルギー政策。
真剣に検討する必要が迫ってきたようです。
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