食品安全に関心のある方に、ぜひお読みいただきたい本である。
著者の畝山氏は、「食品安全情報blog」や日経BP社「FoodScience」の連載で食品安全の考え方を説いているが、それが1冊にまとまった。
ほんとうの「食の安全」のためにできることは、「多様な食品を食べること」だという。食品は「未知の化学物質のかたまり」であれば、特定の食品に片寄った食べ方はリスクを高めるのだ。トクホであっても例外ではない。特に特定成分を濃縮したタイプは、医薬品並みの試験が求められる道理になる。
背景となる基準値の決め方や意味、リスク分析の考え方は、一般の社会人にとって少々難しいかもしれない。それでも、基本的にゼロリスクで管理できている食品添加物や農薬を問題視する専門家やオピニオン・リーダーは無視してよい存在であることがわかるだろう。メディアも同様で、不安をあおる伝え方を改め「基準値超だが、ARfD(急性参照用量)に比べはるかに低く安全」といった報道が増えてほしいものである。
挿入されているイラストは、著者自身によるもの。器用な人なのである。