桜と菜の花が咲き競う中を春風が吹き抜けていく、
そんなあたたかくて爽やかな雰囲気に満ちている作品。
自分的には星5つでは全然足りなくて、本当は500個くらい
献上したいほど気に入ってたりする。
主人公の志賀穂乃歌(ほのか)は真面目で素直な女子高生。
叔父の作ったゲームソフトの制作会社でアルバイトを始めたが、
いきなりキャラクターのデザインを任される。
もともとパソコンやTVゲームとは無縁だった彼女は、右も左も
分からない状態の中、職場の上司や先輩、友人達から、表から陰から温かい
声援を受けてスタッフとしても人間としても成長していく。
元々は書店の店頭で絵柄に一目惚れして購入したのだが、内容も
ストーリーも非常に良い。作画の魅力と威力に安易に依存せず、地に足がついた、
しかも読んでいてとても楽しい作品に仕上がっている。
また、どの登場人物も本当に魅力的で、存在感と説得力のある描写が作品の
深みと厚みを支えている。
更に物語の端々に散りばめられたエピソードには現実感があり、キャラと舞台の
設定がうまく噛み合っていると感じさせられる。
「行間を読ませる」緻密な構成も見事で、例えば72頁の茜のセリフや、129頁の
4コマ目の描写など絶妙の一言に尽きる。
怪人図鑑……もといキャラクター紹介ページも味があってイイカンジ。
それはさておき、サウンド担当の玉原美里が連日会社に寝泊まりする本当の理由は
ズボラなせいではなくて、マリリンへの優しさと友情からではないか?
……なんてことを勝手に密かに思っていたりもする。