幼い頃に母をなくし、貧しい牧師の父もなくなって、叔父夫婦に引き取られた主人公のヒュー・コプルストーン。犬のアルゴスと母の好きだったツルニチニチソウの鉢だけがヒューの友達でした。しかし、ヒューだけではなくアルゴスも引き取らなければならなかった叔父夫婦は、ヒューたちに辛くあたり、とうとうヒューはアルゴスとツルニチニチソウの鉢と一緒に叔父さんの家を逃げ出します。
いつか、お父さんが給費生として学んだオックスフォードのオリエルに行きたいという思いだけで、あてもなく飛び出したヒューたちが出会ったのは旅芸人の一座の仲間たちでした。「ほこりまみれの足」と呼ばれる家を持たずに旅をして暮らしているこの人たちは、自分たちの生き方に誇りを持ち仲間同士たすけあって生きていました。一座のペニフェザー親方は、ヒューを「ほこりまみれの足の兄弟」と呼びかけて仲間にいれてくれます。こうして、ヒューとアルゴスとツルニチニチソウの旅が始まります。
貧しい牧師の息子のヒューには、とても魅力的な旅芸人の生活ですね。大丈夫かしらと心配しますが、楽しそうでもあり、ヒューはヒューらしく、アルゴスもアルゴスらしく立ち向かっていきます。当時のイギリスのオックスフォードやケンブリッジには給費生という制度があったのですね。貧しくて学費の払えない人が裕福な学生の給費生になり、その学生と暮らしてお世話をする代わりに同じ教育を受けることができるのだそうです。イギリスの石造りの建物の中で学んでいる学生たちの姿が浮かんできますね。お父さんのように給費生になって学ぶ夢を持ちながらも、ちょっとまわり道をするけれど、離れがたい旅芸人達との生活も大切に思うヒューの気持ちも素敵です。
「第九軍団のワシ」のサトクリフですから、ヒューの旅もハラハラします。でも、ほこりにまみれて歩いているヒューは、青いニチニチソウの鉢を大切に抱えていて、彼の隣には信頼と親しみの瞳のアルゴスがいつもいる・・・・・
サトクリフのヒューへの思いの詰まった、夢を叶える旅を体験してみてください。