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56 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
男性目線,
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レビュー対象商品: ほかならぬ人へ (単行本)
直木賞を受賞した、という安易な理由で読みました。作者にも作品にも最初から先入観がなく、また、ここが重要ですが、私が女性読者であるためか、表題の「ほかならぬ人へ」の作品の良さがそこまで理解できませんでした。名家に生まれた落ちこぼれである主人公の男性のイメージは、線が細く優柔不断で、そのくせ男性のプライドをこっそりと秘めている人。その男性が、周りに現れるそれぞれの魅力を持った女性たちのあいだで揺れ動く。 かなり男性目線の物語運びだと思います。男性の感傷がこんなものだとは言い切れないし、私の勝手な偏見ですが…。複数の女性から好かれ、選ぶ側にまわる男性の設定は、ゲームでも、男性用の小説でも、よくあるものだと思います。 筆運びが繊細なので上質な物語になっているのですが、筋は、「育ちがよろしくなく、幼稚な美人か、仕事も料理もできて、スタイルも抜群、でもブサイク、さて、どちらの女性をとる?」と巷でよく交わされる究極のニ拓を要は物語にしているだけのようにも思います。女性を理想化し、やさしいものに昇華しすぎているようにも、感じました。 女性側からこのほかならぬ人への世界を見てみたいものです。
80 人中、66人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ここには見えない希望がある,
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レビュー対象商品: ほかならぬ人へ (単行本)
恋愛小説が二本収録された本書は、2006年に上梓された作品集『どれくらいの愛情』の続編のような内容である。かねてより私は、なぜ作者がかくも不倫を描き、さもそれこそ本物の愛であるかのように展開させるのかを疑問視していたのだが、最近作者が言いたいことが解ったような気がする(ちなみに私は本書を読んだ後『どれくらいの愛情』を読んでいる)。 おそらくこの作者には世の中の男女の繋がり方がいびつに見えて仕方がないのだろう。 「相手の妊娠を機に結婚」とか「三年付き合って今28歳だから結婚するにはちょうどいい時期」とか、そういう平凡な理由は「間違った組み合わせ」にしかならないと思っているのかもしれない。 例えば「ほかならぬ人へ」では主人公が以下のように自問するシーンがある。 「この世界の問題の多くは、何が必要で何が不必要かではなく、単なる組み合わせや配分の誤りによって生まれているだけではないだろうか。(中略)どうやったらそれぞれが『ちゃんとした組み合わせ』になれるのだろう?」 「ちゃんとした組み合わせ」は「間違った組み合わせ」の後でしかその正しさを証明できない。 いや、むしろそれはたかだか前の組み合わせが「間違った組み合わせだった」ということを露呈させることしかできない。 要するに真正性というものは直接語ると嘘になってしまうのだ。 だから彼は不倫を描かなくては本当の愛(というと大袈裟だが、相手への思いやりとか、大切に思う気持ちの真正性)を描くことはできないと思っているのかもしれない。 そう考えてみると、白石一文が歩む道は終わりなき困難な道であろう。 なぜなら彼が伝えたいことは彼が語っていないことであり、いわば語りえぬものを彼は語ろうとしているからだ。 語りえぬものは語られない。それはただ示されるのみである。 そしてただ示されるだけのものは誤解・誤読を免れない。 なんということだろう。 私は7年間彼の作品を読んできたが、そのどれをも誤読していた可能性がある。 白石一文が伝えたいこと――それは今を生きる私たちにとってあまりに重要なこと――をもう一度改めて受け取り直さなくてはならないのかもしれない。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
簡単に話をくくりすぎなんだなぁ。,
By nori2m (岩手県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ほかならぬ人へ (単行本)
直木賞でしたね。そう思って読むと、「最近の直木賞はなぁなんか商業ベースなんだなぁ」と思ってしまう。 本書も実にあっさりしすぎちゃって、読み易く仕上がっている感じが、どうも鼻につく。白石の初期作品に見られる理屈をこねくり回し、愛についてあーでもないこーでもないと書き殴り倒していくところが微塵も感じらんない。 ストーリーは簡単にはしょらて感情移入できないままに終わってしまう。 現実味が感じられずそんな話があるのかよ!と疑いつつ、作中の男女にぐいぐいと引き込まれていく作品ではない。男や女のその性に執着してしまう性(さが)が伝わってこないのだ。 とことん、書き尽くして欲しい。数行で何ヶ月も飛んでしまう恋愛小説は読みたくはないのだよ。
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