ヨンジンさん(絵)ジェウォンさん(作)ミヘさん(訳)で日本に紹介された韓国のふしぎな幻想童話風絵本です。
宿題が山ほどあるのにさぼってばかりのだらしない男の子がママの言う事もきかずに、むしゃくしゃして「べんきょうなんてやるもんか!」と決心し自分の部屋の中で思いっ切り暴れまわります。部屋中をめちゃくちゃにしてやっと気がすんだ男の子でしたが、やがて空気が一変し不思議な出来事が次々に起こり始めるのでした。
ソファやベッドや破れた壁紙や本の中の登場人物や算数の教科書から出て来た変なおじいさんがそれぞれに巻き起こすふしぎな出来事は、男の子にとって頭を苦しめられ心を責め苛まれるまるで悪夢の様な大騒ぎです。この辺りのちょっと怖いメルヘン風の物語の場面の切り替えが、頁をめくる度にガラリと雰囲気を変える実にお見事な展開だと思います。そして次に黒ネコの後を追って森の中へやって来た男の子を迎えたのは、驚く程にたくさんの動物たちでした。ここで男の子の不運が頂点に達し、凄まじい報いが一挙に襲い掛かるのですが・・・・。ここまでは怪奇小説まっしぐら!の世にも恐ろしいストーリーの連続でしたが、心優しい作者は自業自得で仕方ないとは言え悪ガキの男の子をあまりにも可哀そうに思って救いを与えてくれますので、読み手の心が長く続いた重苦しいムードから開放されホッと和むでしょう。この不思議な恐怖劇を通じて、悪ガキの男の子が人間以外のもの達も傷つく事に気づいて改心し良い子になってくれる事を心から願いたいと思います。ちょっとショッキングで厳しいですが、それを和らげる優しさもあるふしぎな幻想童話風絵本をあなたもどうぞお楽しみくださいね。