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べっぴんぢごく (新潮文庫)
 
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べっぴんぢごく (新潮文庫) [文庫]

岩井 志麻子
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

死霊が彷徨い、腐臭漂う岡山の寒村。村で一番の分限者の家に生れながら、牛蛙と綽名されるほど醜いふみ枝は、母シヲの淫蕩な美しさを憎悪する。しかしふみ枝の娘は、シヲに生き写しの、禍々しいまでの美貌を備えていた。美女と醜女が一代交替で生れるのは、禁忌を犯した罰か、土俗の死霊の祟りなのか―。呪われた家系を生きた六代の女たち、愛欲と怨念にまみれた、百年の因果の物語。

内容(「MARC」データベースより)

美しければ愛されるのか。醜いだけで不幸なのか。女は誰も、この地獄から逃れられない-。美女と醜女が交互に生まれる岡山の旧家を舞台に、女系家族の憎悪の歴史を描いた、女の哀しみに臨界点まで迫る暗黒大河小説。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 286ページ
  • 出版社: 新潮社 (2008/8/28)
  • ISBN-10: 4101064245
  • ISBN-13: 978-4101064246
  • 発売日: 2008/8/28
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 283,829位 (本のベストセラーを見る)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
読了後に感じた事は、一連の主人公達は不幸なのか?そうではないのか?という事でした。
これは読む人によって感じ方が違うと思いますが、自分なりの解釈が出来るという点が面白いと感じました。

志麻子さんのお得意の岡山シリーズですが、お話の中で百年ほどの時が過ぎ、文化の変化を感じます。
また、怪談仕立てではありませんが、心霊現象等のホラー要素もあり色々な事を考えながら読み進めていきました。

志麻子さんの作品の中でも非常に気に入った一冊になりました。
ぼっけえきょうてえを楽しめた方なら、こちらも楽しめると思います。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫
作者の地元、岡山の北部の寒村の乞食の娘シヲの年代記(明治中期〜平成初期)と言う形で、女性の美醜、官能地獄を追求した壮大な因果物語。

シヲの家系の女性は霊能力があり、死霊が見える。舞台の寒村の家には「乞食隠れ」と言う板があり、ここが常人と乞食の境である。シヲは初めから異界の人物として描かれているのだ。「乞食」に敢えて「ホイト」とルビを振っているのは「ホト=女陰」を想起させるためであろう。シヲの母も色狂いだったのだ。ひょんな事情でシヲは村一番の分限者の養女となる。身なりを整えたシヲは驚く程の別嬪だった。だが、賢いシヲは俗世とは一線を画し、平凡な結婚をする。そして、産まれた娘は醜女だった。以下、相手の男の境遇は変れど、別嬪-->醜女-->別嬪の順に娘が産まれる。"アレ"も含めて、因果を背負って。シヲを除くと別嬪でも醜女でも男には苦労する。男に惚れられるも地獄、男に無視されるのも地獄。そして彼女達には常に死霊が纏わり憑く。連綿と繋がる地獄絵のような性と宿業の饗宴を、作者は時代の雰囲気と共に巧みに描く。死霊、乞食隠れの他、狂花、凶鳥、穢人の墓地と言った題材で黄泉のイメージを膨らませている点も見逃せない。サービスなのか、集大成のつもりなのか、「ぼっけえ」も「きょうてえ」も文章中で盛んに使われる。こうした岡山弁を用いる事によって物語の土着性・因習性が増しているのは言うまでもない。

霊能力を持つ女性の年代記を通して、美醜を超越した女性が持つ性の深遠さを宿業として描いた、もう一つの「ぼっけえきょうてえ」物語。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By キリ
形式:文庫
この独特の世界が、何とも言えず好きです。
田舎のおばあさんが、静かな夜に話してくれそうな昔話。

「べっぴんぢごく」このタイトルも、どこか惹かれる。

乞食であったシヲが、棚ぼた形式のように村一番の分限者の養女となり
絶対に好きなにはならないと分かっている相手と結婚する。
そして、別嬪と醜女が交互に生まれる。
一人の女の一生を、100年という時間軸で描く。
主人公のシヲの生涯に、並々と受け継がれて行く血の定め。
シヲ→ふみ枝→小夜子→冬子→未央子→亜矢

6人の女の生涯が、シヲを軸にして語られる。
明治から平成へと、時代が動いて行く。

別嬪に生まれたから幸せでも、醜女に生まれたから不幸だという
話では無く、ただ淡々とそれぞれの人生を語る。

シヲの血筋が、どうしてこう因果を含んだものなのか。
その理由は最後の方で腑に落ちるようになってはいるが
理由などわからなくても、冒頭からその因果の妖しさに満ちていて
惹き付けられずにはいられない。

乞食柱・乞食隠れという土着性の強い言葉も興味をそそられる。

話自体は、意外性を求めるでもなく、突飛な話では無いかもしれない。
それでも、因果を持った一人の女の生涯を
興味深く、それこそ”そそられる”という言葉通りに
読み進めることが出来た。
ある意味、官能的な印象が強く残る。
上手く表現できないのがもどかしいが
淫蕩の艶…そういうもが澱のように沁みる。

正直に言えば、単純に「好き」な世界観なのだと思う。

他の作品も読んでみたい。
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