「へんないきもの」シリーズが、小説進出!
ストーリーとしては、「早川いくを版おやゆび姫」とでも言えるだろうか。
アリほどのサイズになってしまった「生き物大嫌い」少女が、へんないきものに囲まれながら冒険しなければならなくなる、というプロット。
正直展開そのものに目新しいものはあまりないが、そこは作者の有り余るほどの表現力でカバー、といったところだろう。この人の言語感覚は尋常のものではない。
また、へんないきもの達それぞれにあてがわれたキャラクターがなかなかよい。シリーズファンにはおなじみ寺西晃氏の写実的なイラストもあいまって、情景が頭の中に容易に浮かんでくる。(個人的には免疫軍隊と、丹下左膳風のトラウツボがお気に入り。)
もちろんへんないきものシリーズの大きな特色である風刺・社会批判も健在。
環境問題にもきちんとスポットをあてている。
小説という新たな分野に踏み込み、これから早川いくをはどこへ向かっていくのか、大いに気になるところだ。