本書は、月刊誌『PHP』の連載「へこたれない」の2006年1月号〜2009年6月号
から、大幅に加筆・修正し、『週刊朝日』や『きょうの健康』の執筆記事、および
いくつかの書き下ろしを加えた本である。
著者は、諏訪中央病院院長として長くご勤務され、現在では病院を退職し、
多くのボランティア活動や講演をこなされている方である。このように、多く
の人の「生き様」を間近で見て来られ、医療界にとどまらない幅広い人脈を
国内外にお持ちだからこそ、著者が本書で述べる内容は、温かさと強さと説得
力を併せ持っている。
本書の構成としては、5章構成になっていて、「オタオタしない」「おそれない」
「なやまない」「へこたれない」「よくばらない」についてまとめている。
いずれも、著者がこれまで接してきた人の生き様を紹介し、描き、著者の私見を
加えながら、人として生きやすい生き方を示唆しているスタンスで書いている。
したがって、本書のメッセージには押し付けがましさはなく、紹介している人の
へこたれない生き方を私たち読者にぶつけることによって、自分の生き方を
改めて内省させてくれるようなスタンスになっている。
本書の特長は、とにかく温かいことである。著者の語りかけてくるような筆致
にのめり込みながら、本書で紹介される多くの人の強さや優しさにふれ、あっ
という間に読破できる。
自分の歩みで、ゆったりと、でもへこたれずに、人生を歩んでいく勇気や力を
与えてくれる本である。