作者の言わんとすることは他のレビューにあるので、違った視点からレビューしたい。
他のレビューにもあるが、感情移入のできそうにない登場人物がほとんどなのだが、これはこれで良かった。(萌狙いのライトノベル的に失敗かもしれないが)
なぜか。それはこの話は多少やりすぎた感も否めないが現実を写しているからだ。
もともと感情移入とは、感情、考えの大部分を共有することで成り立つが、現実においてそれができる人間ばかりではない。
普通のライトノベルには、だいたい「いい人」ばかりが主人公を取り囲むだろう。この話においては、主人公を取り囲むのは理解できない人間たち。理解しないからこそ本当の愛も成り立たない。普通のライトノベルで成り立っても、この現実には無理なのだ。
そうした現実を織り交ぜることによって、ライトノベルでありながら、夢を見させるライトノベルへのアンチテーゼとしての役割も担っている。
この本はぜひ表紙で釣られて読んで、そのいろいろな意味でのギャップを楽しんで貰いたい、そんな作品だった。