1998年11月発行の木版画集。作者は1959年、静岡県生まれで京都府在住。まず、作者からのメッセージから引用します。
「ふる里を離れ、都会のあわただしさに染まっていくうちに、多くの人は大切な原風景を忘れてしまう。豊かな恵みに満ちた日本の自然もいま驚くほどの速さで消えていこうとしている。・・・かけがえのないふる里の憧憬を、未来に伝えていかなければと強く思い。今日も絵筆をとり版木に向かいつづける。」
京都の名刹古刹の風景美を扱った写真集はあまたあり、その華やかな日本代表の美観も私は好きです。一方で、本書に納められた、都はずれの周山街道や美山の里などの四季の木版画には、見る人それぞれに自分のふる里を思い起こさせる力があり、写真とは違った楽しみがあります。
日本のふる里の景観を残したいと考える方が、そのイメージを持ち続けるために役立つ1冊です。