「愛国心」と書くと思想めいていると言われそれなら「郷土愛」が適当か?というような論争ばかりが頭の上をかすめていくような時代ですが、宮本常一さんのこの著書はまさに彼があとがきで「何よりも歩いて見ること」「歩いてみないと、その実感がともなってきません」と書いているように日本中を隈なく歩いて採集した、彼が愛してやまない日本の庶民の暮らしや文化・風習・伝統などを図説を交えて教えてくれる分かりやすい本です。「です・ます調の文体」で書かれていますからまさに炉辺でムラの長老から聞いているような感覚を味わえますよ。長い長い歴史の中でさまざまな辛酸が沢山あったであろう庶民の普通の人たちのこと。文献でも考古学でもわからない生きた生活の調べがあります。大人が読んでもちっとも飽きませんし大人なら多少の経験があるから尚更実感を伴って味わえると思います。
何よりも宮本さんの温かい思いが伝わってくる良書です!