佐野さんの言葉は私を揺さぶる。
それは私のなかの、頭で考えていて、
感情や感覚をなおざりにしているところや、
いっぱしの意見を持ちたいくせに世間の風潮に簡単に流されたり、
便利を求めるあまり自分で考えることを止めたりしているところ。
どうなのよ、そこ。と揺さぶってくる。
そして佐野さんは、そういう部分も私にもある、と責めることはない。
むしろ肯定してくれる。
肯定してくれるけど、でもこっちのほうがなんだかタダシソウよ、
だって楽しいでしょう?と言うのである。だって、
私自分でやってみたんだもん、失敗もしたからよくわかるんだもん、
やってみないと人生わからないよ、と教えてくれる。
読み終わると、そうか、そうよとうなづいてしまう。
佐野洋子は人生の達人だ。
河合隼雄さんが解説にてこれは道徳教育の副読本にしたらいい、
と勧めるのもそういう意味でわかるなあ。