津村節子が幼少時からの長い人生を綴った作品。
もちろん、本書で描かれるのは津村節子の作家生活が中心であるが、一方で、同人仲間からやがて夫婦となった吉村昭が、多く登場するのもまた当然だろう。
本書は津村節子が自身について語った本であると同時に、妻として作家仲間として吉村昭を描いた作品とも言えるのである。
吉村昭の下積み時代、『戦艦武蔵』で一躍世に出た時のこと、『ふぉん・しいほるとの娘』『ポーツマスの旗』『冬の鷹』といった作品にまつわるエピソード、吉村昭の執筆スタイル、闘病生活。こうした作家・吉村昭の姿に加え、吉村家の様々な出来事(家の新築、子ども達・・)も多く語られる。また吉村昭の写真も多く掲載されている。
本書は吉村昭ファン、そして吉村昭の事を知りたいという人には必読の一冊だと言えよう。