同じ著者の『論理的思考力を鍛える超シンプルトレーニング』を職場で使っており、とても重宝している。
こちらの本も、できることなら教室で使いたい。ページがカラフルだし、こどもたちも喜びそうだと思う。
この問題集のおもしろいところは、「悪問との戦い方」について随所で触れられているということだ。
入試問題では、たしかに「悪文」や「悪問」が出されている。
入試問題についての解説本をいくつか読んでいたとき、「なんでこんなにわかりにくい文章を使うのかなあ」と思ったことがある。
学校現場では到底使われないような、意味もなくややこしい文章が多い。
この問題集では、そういう分かりづらい悪文のパターンが随所で紹介されている。
たとえば、「第一に」と始まったら「第二に、第三に」と続くはずなのに、「第一に、さらに言うと、そして」とか、「まず、第二に、加えて言うと」なんていう変則的なパターンがよく出てくる。
もしくは、「つまり」と「だから」がこんがらがったような文章もよくある。「つまり」は言い換える接続詞なのに、主張をこめるあまり「だから」のような使い方になってしまうことがあるらしい。
ほかにも、「余計な部分がはさまれた文」などについても書かれている。
例文(111ページ)……パパイヤ、バナナ、キウイを食べた。( )、初めて食べたものも含めて、果物を食べたのだ。
この文では、「初めて食べたものも含めて」が余計。これをのぞくと、なるほど抽象化だな、だから( )には「つまり」が入るんだな、と分かりやすくなる。
この問題集では、こんな風に「よくある悪文」のパターンを解析し、それを問題に取り入れている。
そういう部分も含めて詳しく書かれた「解説」や、それぞれの問題についている「ここがポイント」が圧巻、という印象を持った。
しかもとことん子供思いの本だ。なにしろ、全部の問題を完全に自作しているというんだからすごい。
文章の出典が書いてないのでおかしいと思いホームページ等をチェックしてみたところ、なんと、読解問題の文章も含めてどれもオリジナル、とのことだった。
基礎の習得段階では良文・良問を与え、徐々に悪文・悪問にも耐性を育てていく、という心づもりがうかがえる。
その悪文・悪問も、自作しているというんだからおどろく。
なるほどこれなら、できない子供もできるようになっていくはずだ。
こんな問題集に出会えたことに、正直感動している。