セキセイインコ・ぴっぴらさんと飼い主のキミちゃん、そして2人(1人と1羽)をとりまく個性あふれる人々とのほんわかとした生活を描いた本作。物語の中の人間関係等は進行していくものの一つ一つは4コママンガになっていて、作者独特の笑いのテンポに引き込まれてくすくすと笑っているうちに心が温まっていきます。
こうのさんの作品を読んでいていつも感じるのは、生活の一コマや、人と人との間に漂う空気感を描くのがとても上手だということ。セリフがなくても肌で感じることのできるようなシーンがたくさん出てきます。『さんさん録』(文庫版)のあとがきに「日記を書いている暇すらほとんどなくなって…」というくだりが出てきますが、こうのさん自身が一日一日をていねいに生きているからこそ描き出せる世界なのでしょう。何だか世の中が殺伐としてきた今日このごろ、より多くの人に読んでもらいたい作品です。