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ドイツに詳しい読者にとっては歴史や風習に関する記述にさほど新奇な点は見出せないかもしれませんが、ドイツについて興味を持ち始めたばかりという「初心者」には十分楽しめると思います。
統一後のドイツ社会に関する最新情報には参考となる部分もありました。いくつか列挙すると:
2003年にニーダーザクセンの発電所の原子炉を停止させるなど、原子力エネルギー礼賛ではなくなりつつあるドイツ。エネルギー事情が逼迫することを恐れる産業界に後押しされた経済労働省と環境省との間でつばぜり合いが起こっているとか。
旧東ドイツ復興のための「連帯税」が期待したほどの効果を生んでいない話。“半島”が統一される将来を思うと、こうした資本援助は日本にとっても対岸の火事ではない気がします。
東ドイツで使われていた信号のマスコットAmpelmaenchenが統一後に生き残ったばかりか旧西ドイツ地域でも広がりを見せていること。東のすべてが捨て去るに値するわけではないと考えるドイツ人の柔軟な思考をそこに見ました。
著者の手になる挿画はなかなかコミカルで眺めていて心浮き立つ思いがしますが、ひとつ残念な点があります。挿画がコマ割り漫画のように描かれている場合、どういうわけかコマの進行順序が左から右になっているのです。文章は縦書きで右から左へと読み進めますので、挿画の頁も勢いで同様に右から左へ向かって読んでしまいます。結果的に挿画のオチを先に読むことになります。
次回作でも挿画を入れるのであれば、日本のマンガと同様に右から左へとコマを進めていただければと思います。
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