ひろさちや氏の本はたまに立ち読みするが、今回は「まえがき」にひかれて買った。
悩みや義務感など捨てて阿呆になれ、そのほうが楽しく生きられるという、ひろ流の「世逃げ」哲学が、全編を通して繰り広げられる痛快さを味わえた。
そうはいっても、世捨て人みたいになれるわけではない。ひろ氏もその必要はないと説く。現実の毎日の中で、肩の力を抜いていいところはどんどん抜いちゃおうよ、というメッセージとして私は受け止めている。そう考えると、今まで力まなくてもいいところで力み、楽しんでいいシーンでストレスをためていたことに気付く。
非現実的な暴論のようでいて、じつは日々の生活に落とし込める部分が意外にあった。
ひろ氏は400冊を超える多作家だが、この本は最後まで「阿呆」に生きる楽しさがブレず、論理が破たんしていない。常識に凝り固まった頭を揉みほぐすほのかな快感とともに読了した。