本書の評価はおおむね2つに分かれる。
ひとつは本格推理または心理的な推理が楽しめる佳作、もうひとつはブリッジのルールが分からないと楽しめない。対して私の見解はどちらでもない。
前者の評価に対しては、ヘイスティングズが非常に単調だと言ってるとおりで、本書は最初から4人の容疑者に絞られた時点で結末のサプライズが期待できない。実はその4人以外の誰かが犯人だったとなれば一級品だが。
また推理の手がかりがないに等しく、その点でも本書を高く評価する理由が分からない。
一方、ブリッジのルールはこれを知っていればより楽しめるという程度のもので、本書を読む上で必須のものではない。だから、ブリッジのルールが分からないと楽しめないという人は、本当はルール云々に関係なくこの作品はよくなかったと言っているのと同じだと思う。
そういう意味では、私も後者と同じ評価だな。