肩の力を抜いたような、でもかといって完全に脱力していないような作風が(個人的にはそう思う)売りの作者が送る、記念すべき単行本10冊目。気がつけば全部持ってる自分に苦笑。
「母親は他界」「父親はフーテン根無し草」「家で一人暮らし」「世話焼き幼馴染み」と、ベースは今までに無いほどに鉄板。この生活の中に突如新しい家族がやってくる、というよくあるパターンで物語は進行する。ここで高校生の主人公に増える家族というのは大概「妹」でありますが、今作では「母親」が増える。この流れは新しい。しかも、最終的には3人まで増える。その3人の中でメインになるのが、年下で育ちもよさげなマリア。主人公と幼馴染み、3人の母親でやんややんやと騒ぐのがその骨格。ただ、一巻完結とこともあるかもしれないが、キャラがあんまりその持ち味を出してくれない。まぁ登場キャラ自体、作者が今まで書いてきた物語の中に無かった者達ばかりなので、作者自体が上手く馴染んでいないのかもしれない。
「意見をしっかり言う主人公」「しっかり、おっとりのヒロイン」「日本最強のストーカーを自負する幼馴染み」「野生児母」「ハジキ片手の教育ママ」など、作者にしては珍しいキャラばかりなので気になるのなら是非。ただ、他の作品に比べるとスルメイカのような旨味はあんまり無い……かも。