1962(昭和37)年から65(同40)年にかけての最初の連載で『りぼん』に掲載された中から、18編を収録している。
「ギャグを描きたかった」赤塚先生にとって、その初期に少女まんがを描いていたのは“生活のため”という側面があり、心の底からノッて描いていたわけではなかったようだ。だがしかし、この『アッコちゃん』は、『おそ松くん』がヒット作となったところへ依頼が来て始まった連載なだけに、読んでいてもどこか余裕というか、自信のようなものが感じられる。
ギャグの分量はそれほど多くなく、シリアスに展開することもあるが、その分、ストーリーテラーとしての先生の腕の確かさを実感できることだろう。
登場人物のちょっとした心の揺れ動きを重ね合わせて、読み手の心をつかみ、気持ちよく泣かせてしまうテクニックなども、さすがである。
こういうのを「持って行き方がうまい」、とでもいうのだろうか。
アッコちゃんやカン吉といったキャラクターたちのデザイン、最初は大きかった《鏡》など、アニメ版(とくに第1作)とのさまざまな違いも興味深い。
なお巻末では、赤塚先生の最初のアシスタントで最初の奥さんで、その後も先生とはフレンドリーにつきあったというT子さん―後の奥さんを先生に引き合わせたのもこの人。この2人の女性は仲がよかったそうだ―が、『アッコちゃん』が生まれた頃のエピソードを明かしてくれている(2005年執筆)。
今ごろは3人、雲の上でのんびりされているだろうか。