同じ女子高を舞台にして異なる登場人物それぞれの女の子同士の恋模様を描く。
・学生時代から女の子が好きで、付き合っていた彼女と8年の関係を続けている保険医。
・演劇部で後輩の女子を好きになるが、その子は同級生の子が好きで、しかもその相手の子が自分を好きという「三角関係」で互いの想いが通じない先輩。
・内気で赤面症な女の子が高校に入って出来た友達の女の子にキスをされて、やがて肉体関係を結ぶようになる。
・付き合っていた家庭教師の女性が結婚することになり、ショックを受ける女の子。
「咲いた花」と「咲かない花」との対比。
決して「可愛い女の子のイチャイチャ・ラブラブ」だけでは終わらない話である。
「女同士で恋するなんておかしい」という世間一般に流通する「常識」は当事者である彼女たちの心にも時に暗い影を落とす。
女の子は男の子よりも「賞味期限が早い」という説がある。
若ければチヤホヤもされるだろうが、年齢を重ねて20代も後半になってくると婚期も逃す可能性があってこのままじゃ一生一人・・・・。
実家では両親からも心配されてって感じで「女同士の恋」では生き難い現実の壁が立ち塞がる。
だからまだ「学生時代」はその現実を認識できない、もしくは認識していなくても許される短い季節なのではないかと思う。
それでも「永遠に続く幸せ」なんてない。いつかは終わりが来るのだという現実がチラホラと顔を覗かせる。
「恋路」の76ページで制服を脱ぎ散らかして、初めてセックスするためにベッドインする女の子2人。
初めてだから「恥ずかしいし、怖いし、どうしていいか分からない」という戸惑いを超えて
「初めてだというのにそれはそれはとても気持ちよかった」という満足感を得る場面が何とも可愛らしく、いやらしい。
床に散らばるブラジャーやパンティが「世間体」だとか「見得」だとかいう普段にまとっている心の鎧を2人が脱ぎ捨てたことを
「残骸」として象徴していると思う。