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ひなた
 
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ひなた [単行本]

吉田 修一
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

新堂レイは、誰もが知っているブランド、Hの広報に就職したばかりの新卒。昨年、元同級生の大路尚純と偶然再会して付き合い始めた。尚純は一浪でまだ学生、文京区小日向の実家に家族と暮らしている。その実家に兄浩一と兄嫁の桂子が引っ越してくるという。兄嫁はファッション誌の副編集長だ。浩一には離婚しそうな友人、田辺がいる。田辺はいつも日曜の午後浩一に電話をかけてきては浩一を連れ出していく…。

内容(「BOOK」データベースより)

一組のカップル、一組の夫婦、そして一人の男の物語。さらけださない人間関係。

登録情報

  • 単行本: 246ページ
  • 出版社: 光文社 (2006/1/21)
  • ISBN-10: 4334924832
  • ISBN-13: 978-4334924836
  • 発売日: 2006/1/21
  • 商品の寸法: 19.5 x 13.6 x 2.3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 650,861位 (本のベストセラーを見る)
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5つ星のうち 4.0 日常生活が不安定なものであること, 2006/4/23
レビュー対象商品: ひなた (単行本)
 大学生の大路尚純と彼女、尚純の兄と兄嫁の男女4人が、それぞれの立場から語り手となり、ひとつの小説を構成している。吉田修一の読者にとってはお馴染みの手法だ。今回は4人の“書き出し”を合わせるといったお楽しみ的な細工も見られる。

 「JJ」連載ということで、女性主人公は兄嫁が雑誌編集者、彼女がアパレルの広報といった「月9」ばりの流行り職業だが、男性のほうは兄が信金勤務、弟がフツーの大学生といたって地味、さらにはプレスの彼女も実は族上がり、こうした予定調和でない設定が逆にリアリティーを生んでいる。本作は4人の視点によって、大路家周辺の家族関係、夫婦関係、友人関係の表層と深層を描き、一見、賑やかで和やかで安らかな日常が、不倫や同性愛や出生の秘密に支えられた不安定なものであることを示している。「東京湾景」は実際「月9」になってしまったわけだけど、甘いコーティングに潜む毒を描くことこそが吉田修一の本質なのだと思う。そして闇を抱えながらも日常を生きていくことを是とする前向きな現実主義と楽観主義に救われる。

 なんでもない風景が実は不安定で歪んだものであることを教えてくれる安村崇の表紙写真も、作品内容にマッチしている。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 嘘と不安, 2006/3/4
レビュー対象商品: ひなた (単行本)
登場人物の誰もが、嘘と不安を抱えています。あるいは、嘘があるから不安になり、不安から逃れるために嘘をつく。そんな「日陰」を抱え込んでいる登場人物たち。けれど誰もが一様にひなたに憧れ、ひなたを守ろうとし、ひなたに自分の居場所を見つけようとする。

それは決して遠い物語の話ではないように思えます。自分自身を振り返ってみれば、登場人物たちと同じように、ほのかな嘘とささやかな不安を隠し持っていることに気づきます。そして読み終えたとき、自分がとりたてて何の意識もしていなかった生活の「ひなた」が、ひどく愛しく、大切なものであるように思えました。
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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「ひなた」の上のヴェール, 2006/1/21
レビュー対象商品: ひなた (単行本)
吉田修一の久々、そして待望の新作。

彼の小説は単に男女の関係を描いてはいない。いつも人間と人間、その不完全なものどうしが織り成す会話、そして場面を丹念に描くことによって、その心の表面を覆ったヴェールのようなものをうまく書き出してみせる。

今作も兄弟、夫婦、恋人。様々な人間模様を軽いタッチで描いてみせている。ただその軽さの向こうには、日常がずれていく恐ろしさ、他人や自分と他人が作り出す環境へ適応することの難しさが潜んでいる。普段はあるかどうか気がつかない、自分が纏っているヴェールのようなものがしっかりとした手触りで描かれているのだ。

でも軽いんです。一気に読めてしまいます。
吉田ファンならずともオススメの一冊です。
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