前作「私は私をあとにして」から1年となる熊木杏里のNEWアルバム。
「人」は「人」から様々なものを受け取って生きているのだという、
当たり前なことでありながらも、普段忘れてしまいがちな大切なことを、
彼女の心にある素直な言葉とその清澄な歌声をもって伝えてくれる作品です。
「過去に『殺風景』というようなタイトルをつけていたような人間から
“ヒナタ”なんていう言葉が出るとは思わなかった」と彼女自身が
あるイベントで話していました。
その変化を強く感じさせるものは、とにかく「人」の存在そのものです。
多くの楽曲には“君”や“あなた”という対象がはっきりと描かれ、
その人たちから受け取ったものが、決して当たり前のものではないという
気づきに対し、喜びと感謝の気持ちが曲のいたるところで描かれています。
タイアップが非常に多い彼女ですが、楽曲が決して一人歩きしていないのは
彼女がタイアップという「縁」に対して常に感謝の気持ちを持ち続けている
ということが、作品から伝わってくるように感じられることにあると思います。
その気持ちがまさに、今作のタイトルとなっているのではないでしょうか。
前作にて「暖炉のように人が集まる そんな人にいつかなるために」と
歌っていた彼女がいま作り出している「ヒナタ」には、すでに多くの人が集まり
「暖炉」のように心地よいぬくもりを与えていてくれると私は感じています。
初回特典のDVDには、前作の「朝日の誓い」「ひみつ」、そして「春隣」のPVと
そのメイキング映像等の特典映像が収録されています。
「モウイチド」や話題となった「こと」のショートムービーが収録されていないのが
少し残念でしたが、今後の特典としてぜひ収録されることを期待したいと思います。