脳梗塞で倒れた野坂さん、少しずつ恢復するも、後遺症としての言語障害を乗り越え、俳句で脳力アップをはかる。更に連句で「創造」「連想」の意欲を鼓舞する。俳句だけではもったいない。言葉遊び・連想の楽しみとしての連句をひとりで巻く。いわゆる独吟である。身の上を考えれば、相手に迷惑のかからない独り連句の方が気が楽であろう。
実践編として、春の歌仙「寝床の中」の巻、秋の歌仙「秋の朝」の巻が解説付きで紹介されている。この二巻は、日本語使いのプロフェッショナルである小説家野坂昭如の新しい作品であると同時に、親しみ深い野坂さんが心ある人に贈る「連句のススメ」でもある。
人間の脳の力の素晴らしさ、日本語の自由な駆使の楽しさを教えられる。