99年の10月から11月の中旬まで行われた、奥田民生の通称ひとり股旅ツアーを収録。
まず断っておくと、この作品は単なるライブDVDではない。1曲通して聴かせる場面は、実は少ない(最後の方に4曲収録)。民生一人とわずかスタッフ四人の五人が、ぼろっちいバンに乗り込み、日本列島津々浦々の比較的小さなライブハウスを巡る、ひとつのロードムービーという意味合いが強い。
歌手のドキュメンタリーというのはよくあるが、その被写体の造られた「オフショット」や「自然体」「素顔」というような広告映像、ではない。本当に普段からこの人たちは、こういう感じなんだろうな〜というまるで気取らない男たちの旅は、修学旅行を想起する。
DVD冒頭、初日の観客に民生は武道館一万人の前でやるということを、シャレ程度に語っているが、その次の日には実現することが決定。
かくしてこの旅は最終目的地として武道館、大阪城ホールを目指すこととなる。
両講演を無事歌い終え、最後は新幹線で…というような中途半端なことはしない。もちろん最後も一同はバンに乗り込み、東名で一路東京へと帰るのである。
車から降りた民生が旅の感想を聞かれて一言、
「二度とやるかぁ!!」
しかしその約5年後、民生が満員の広島市民球場3万人の聴衆に、またしてもギター一本で対峙することになるのをこのとき、僕らはもちろん彼自身もまだ知らない。