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76 人中、59人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
鋭い感性と卓越した表現力、なのだが。,
By
レビュー対象商品: ひとり日和 (単行本)
読後感としてまず思うのは、いかにも芥川賞の選考委員たちが絶賛しそうな作品だ、ということ。
平凡な日常を、鋭い感性で切り取り、卓越した表現力で生き生きと描き出している、からだ。 感性と表現力については、確かに絶賛したい。 才能のきらめきにあふれた、優れて文学的な作家である。 しかし、その作品を通して伝わってくるものといえば、だるく生きている主人公の、だるい日常だけなのだ。 主人公の心を満たす、殺伐としたつまらなさ。 周囲の世界は、彼女にとって実体を持ったものとして迫ってはこず、まるで影絵のようにうっすらとのみ存在している。 このような優れた作家が、このようなつまらない内容しか書き得ず、それをみんなで絶賛して喜んでいる、今の日本の文学の世界とは、いったい何であるのか。 心の奥底が冷え冷えとしてくるような、暗澹とした思いが残った。
42 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
満ちている気配,
By Justin (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ひとり日和 (単行本)
ここ数年の受賞作のなかにも、たびたび同じ空気を感じることがある。
「時代が持つ閉塞感とか気だるさ」・・・ 多くの人が手を変え品を変え、小説の題材にしているようだ。 たとえば、それを若い言葉で綴ると綿谷りさのようになり、 成熟した表現で綴るとこのようになるのかと思った。 その意味では24歳という年齢にしては、非常に成熟した文章を書く人だと思った。 ただ、面白く読めるのだけれど、あとに何も残らない。 何でもそうだと思うけれど、何かを追究している人の話には説得力がある。 だから、それが自分にはわからない世界のことであっても、いつの間にか聞き入っている。 あとに残るのは専門知識ではないけれど、その専門知識というフィルターを通して 語り手の熱意とか姿勢が伝わってきて胸が熱くなる。 この作品自体にはそういうものは感じられなかった。 しかし、要所要所にさまざまな気配が込められていて、言葉にせずに読む者を納得させる 説得力は強く感じた。そう考えると、平凡な題材をよくここまで・・・とも思えてくる。 賞というのは時代を反映するものだと思うし“今後”に期待して贈るものでもあると思うから これからこの人がどんな作品を書いていくのかちょっと興味がある。
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
立ち読みすら不要,
By Ksuke (大阪生まれ東京棲息後に都落ち) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ひとり日和 (単行本)
読んだ直ぐ側から、ああ、古本で買って良かったと思える本だった。
一体作者はいつも何を考えて生きているのだろう? そして何を書きたいが為に作家になったのだろうと、 そんなことを考えさせられた作品でもある。 日常に感動もなく、何かしたいこともなければ、情熱も拘りもなにもない主人公が、 ぶらぶらと生きているだけの、前も後ろも関係のない、 白昼夢のような感じがした。 これが芥川賞受賞とは、さすがに斜陽化してると言われても仕方がないとも言える。 たとえ話に盛り上がりや驚く描写が無くても、 読了後に何らかのくさびが心に残るような作品でなければ、 読む意味がないだろう。 余程の感受性がないと、この本を読んでしみじみと何かを感じ取るのは、 出来るのは難しいと思う。 非道い喩えだが、読んでいる最中に、 「そんなことより野球しようぜ!」と、友達に声をかけられたら、 すぐさま床に叩き捨てて外に遊びに行くような、そんな本だった。 もしこの本だけを無人島に持っていったら、 持っていった自分が情けなくて、思わず死んじゃいたくなるような作品とも言える。
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