幼いころに「一緒に甲子園に行こう」と約束した少年と少女。
少女は海外に留学してしまうが高校入学と同時に日本に帰国し
少年との約束を果たそうとする。
ところが少年は「もう野球はやめた」と言い捨てる。
少女は戸惑いながらも少年に約束を守って野球をやろうと
説得を始めるが…。
ここまでの物語導入を聞くと少女が主人公と思いがちだが
主人公はどちらかというと少年のほうなので注意。
あることがきっかけで野球嫌いになってしまった少年が
少女の一種の純粋さをうけて、もう一度野球と向かいあう
ところが物語の肝。
ストーリーは、はっきりいってありきたり。
しかも少年の説得に物語の半分を割いているから
すごい出だしがスローな感じがしてしまう。
そして後半からは本格的な野球の話に急転換。
おおきく振りかぶってを連想させる理屈くさい野球
が丁寧に描写される。『おお振り』が好きな人はお勧め。
弱小校が強豪校相手に接戦を繰り広げる様子は、やっぱり
手に汗を握って読んでしまう。力のない女の子が男子相手に
互角以上の戦いを繰り広げる。
ところどころに良いところがあるが、全体としてみると
ちぐはぐな感じが否めない。前半をさっぱりさせて本格野球にするか
野球部分を簡潔にして人間模様を丁寧にするかしたほうがよかったかも…。