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ひとりの午後に
 
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ひとりの午後に [単行本]

上野 千鶴子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

知られざる思いを紡いだ
自伝的エッセイ

「箱入り」だった子ども時代から胸苦しさに満ちた金沢での青春期、「枯れた」学生だった京都での日々。東大に招ばれ、逆風に身を置きながら、いまは亡き両親や敬愛する友、教え子、そして自らの行く末をおもう……。ベストセラー『おひとりさまの老後』の著者が綴る、潔くてほろ苦い「大人のための」エッセイ集。

内容(「BOOK」データベースより)

世間知らずだった子ども時代から、孤独だった青春期、社会人となってからの日々、いまは亡き人々への思いまで。「けんかの達人」と呼ばれた社会学者が、その知られざる内面としなやかな暮らしを綴ったおとなのためのエッセイ集。

登録情報

  • 単行本: 233ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2010/4/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4140814195
  • ISBN-13: 978-4140814192
  • 発売日: 2010/4/22
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 著者、還暦を過ぎての「なかじきり」かと読み始めた。鴎外の「なかじきり」は、かなり言い訳がましい文章だけれども、上野のこれは、すっきりとしていて小気味よい。
 「ひとりでいられる時間と空間とスキルさえあればいい」ということを書いたのだと最終章の終わり近くにある。本書を「ひとり主義」称揚の書かと思い違いしてはならない。自分は「ひとり」がいいというだけのこと。
 しかし、ひとりの上野千鶴子がひとりで生まれたわけではないから、まずはその両親についてから書き始めている。ご両親を愛し、尊敬しではなく、反発と拒否、その両親のいる家から脱出して自分が新たに作られた。としながら、最近のことか、三歳まで「ちづこ」の世話をしてくれた人に会って、その人を「大切にしたい」と書いている。その人は「普通の人」である。結婚し、子を産み育てている。そういう人をも大切にしたい。つまり、ひとりではあるけれども、「大切な人」をも持つのだというのである。このあたりが『ひとりの午後に』以降の「上野千鶴子」を占うものかもしれない。もっとも、ひとりながら友人を大切にするのはこれまでもそうだったから、続いてはいる。
 「1 思いだすこと」で戦後日本の過ぎしことと現在とを整理。「ひとり」でいることが不思議ではなくなった経緯が分かる。「2 好きなもの」は「私」の公開である。いかに「自分を生きているか」が書かれている。とはいえ、たとえば「俳句」の章で、自作句を紹介していない。隠し財産はまだ多くあるのだろう。「3 年齢を重ねて」。「4 ひとりのいま」。同年生まれの井上陽水。彼のコンサートには行ったことがないけれども、CDはほとんど買い求めたといい、陽水の歌手活動四〇周年を記念するライブに参加したという。しかし、そこで見た陽水は衰えていたとし、「衰えもまた芸にして見せてほしい」と書く。これは、自分自身に返ってくることと承知していよう。
 これから、日本の高齢社会での老齢者の生き方、暮らし方を上野千鶴子がどう見せ、提言するか。その初めの書が本書であると七七歳の老愚生は読んだ。
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By 麻冷 VINE™ メンバー
形式:単行本
「おしゃれ工房」に連載していたというのが、まず驚きで、彼女らしく、めいいっぱい粋なおしゃれを書いてくれて楽しかった。京都の最中を買いに行きたくなったり、カナダの夕陽を海から眺めてみたいと思ったり、おしゃれ工房の読者は毎月、彼女の連載を読んで、共感したり、夢見てみたり、居住まいを正してみたり、と楽しんだことと思う。どこかとても真面目で率直な、実は生きることに不器用かもしれない、そんな彼女の素顔も垣間見られたところが、この本のおまけでもあった。
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形式:単行本
書店でたまたま目に入って、すっと手が伸びた。上野センセイのエッセイが、他の主著とは違う滋味豊かな文章であることは、知っていたから、期待に胸が高まった。

すぐに読み始め、他のことをほっぽり出して読了した。よかった。いままで知らなかった上野センセイのエピソードも多かった。金沢二水高校出身というのも知らなかった。

『国境お構いなし』というセンセイの本が以前あったが、あの本のときと近い、一文一文が胸に沁みてくる文章である。

ベストセラーになった『おひとりさまの老後』を、かつて著者の本を愛読した人は、その内容だけでなく、久しぶりの「上野節」にゾクゾクしながら読んだはずだ。あの挑発するような戦略的な文章だ。上野センセイは、そういう文章を書くときと、今回のエッセイのような、人の心に染み入る文章を書くときとがある。そのどちらもがセンセイの魅力だ。本書の「逆風」と題された一文の中に、前者の戦略的な文章を書くようなとき、センセイの脳内でゾクゾクするほどのテンションの高まりが起こる経緯が語られている。そして、それがおそらく子ども時代の家庭環境に原因があるということも。そんな秘密も味わえた。

この本は宝物だ。上野センセイのファンにはたまらない一冊だ。
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