上下巻共に感受性の高い女の子を脇役も含め実に精巧に、しかし嫌味なく描かれたさすが「漫画家さくらももこ」と思わせる作品だと思います。同名エッセイよりずっと魅力的(私にとっては)で、自分の中のたくさんの琴線に触れたのか、どうにも何度読み返しても涙が止まらなくなってしまいます。大人になるには後悔や無意味な孤独感が必ずついて回るものだし、それは決してはずべきことではない、また、努力したものにはどんな形であれ必ず幸せが訪れるのだということを、家のどこか手の届くところに置いておいて、もし興味を持ち手にとってくれるのであれば、思春期を迎えた自分の子供にこの話をもって教えてあげたいなと、未だ自身の夢にかまけ親に迷惑をかけている分際ではるか未来のことまでも想像してしまうほど、この作品は私にとってかけがえのないものです。