「いい音楽は空気を変える」が私の持論なんだけど、これは本当にそう。ヘッドフォンでも、部屋の中でも、夜の高速でも、ひとたびこれが掛かり出すとその瞬間から世界が様変わりしていき、それこそ何か見えない装置の働きによって自分の背後からつくりかえられていくんじゃないかという、そんな感覚に襲われる音楽です。
内容ははエモーショナルで民族音楽的な要素も多分にある発声をする歌い方で、それがエレクトニカルなバックトラックに乗るというもので、それだけ聞くとビョークみたいな感じなの?と想像するむきもあると思うけど、ちょっと違くてああいった小難しくて近寄りがたい感じはしない。歌声自体はどちらかというとアラニス・モリセットに似ているすごく暖かみのあるいい声をしていて人間味にあふれている。そして、その声を生かしたオシャレで上品だけど、けっしてユーモアとエンターテイメントを忘れない楽曲のセンスも素晴らしいと思う。才能があってしかも、そういったさじ加減が自分で出来る人は実は希少じゃないかな。
個人的にはシングルで某海外ドラマの挿入歌にもなったgoodnight and goがオススメ。この曲はレヴューの表題にもある通りで、どことなく恋の甘く切ない夢の感じをただよわせるメロディーと巧みな構成と展開が秀逸。それと声のエフェクターのヴォコーダーを使用し、すべて自分の声のみでサウンドを仕上げたhide and seekも、ちょっと通好みだけど聞いて欲しい一曲。
私はもうこのアルバムを一年以上聞き続けてるけど、本当に飽きないなあ。特に明かりを消して寝る前に聞くと最高で、いい夢見れそうな幸せな気分になる。