正直に言おう。僕は浅野真澄/あさのますみに好感を持っている。文学少女がそのまま大きくなったような佇まいも、秋田美人な色白のところも、そしてイタさと隣り合わせの暴走気味なキャラも。
だが、そんな贔屓目を別にしても、『ひだまりゼリー』は読みがいのあるエッセイだ。どのエッセイにも嘘のないであろう彼女の思いが書かれていて心を打つ。『祖父との思い出』や『おばあちゃんの約束』などの家族愛モノは本当に泣けてしまう。
それだけではない。失恋で闇に溺れそうな夜を描いた『濁流の泳ぎ方』は、まるで短編小説のような作品。こういう内面描写をもっと読みたいと思わされた。
作家としての今後の表現活動に期待の持てる一冊。この温かい読後感ゆえに、彼女のことをよく知る人にもあまりよく知らない人にも、老若男女に幅広くお勧めしたい。