『ひぐらしのなく頃に』の外伝、完結編です。
この『鬼曝し編』は『ひぐらしのなく頃に』の完全なるアナザーストーリーであり、世界観は共有しているものの、本編からは独立したストーリーが展開されている作品である事を購読前に理解していることが必要です。ただ、この『鬼曝し編』の原案は原作者・竜騎士07氏の書き起こしによるものであり、本編のテイストは作品のいたるところに散りばめられた作品となっています。
前巻で示された、主人公・夏美の家庭内で起こってしまった最初の惨劇を受けて、今巻では更に惨劇がエスカレート、非常に悲惨なストーリーが展開されていきます。私は『ひぐらしのなく頃に』の原作をほぼリアルタイムで全編クリアーしている者であり、ある程度展開を先読みする事も出来たのですが、それでも目を背けたくなるようなシーンが頻出しています。原作を忠実にコミカライズしている一連のシリーズと比較しても、血生臭さでは群を抜いていると言えますね。
その上、作画担当者・鬼頭えん氏の絵柄が今風の萌え絵では無い、割と昔からあるリアル系少女漫画風の絵柄だけに、主人公の可愛らしさと凄惨さのギャップがよりリアルに表現され、読者に与える衝撃を倍増させているようですね。正直、最も繰り返し読むのが躊躇われるような内容になっていると思います。
「完結編」ということで、一連の惨劇の真相が明かされますが、それを知った上でもう一度第1巻から読んでみると、様々な仕掛けが随所に施されている事が判ると思います。こういったテイストは実に『ひぐらし』的ですね。
但し、ラストにて曝された"鬼"の本質は、本編で語られたものとは随分異なったテーマ性を持っており、それはそれで充分に印象深いものではあるのですが、やはり決定的に本編とは違う作品であると言う印象が残りました。ただ現実との距離感はこちらの方が近く感じられたのも事実。充分に存在感のある作品だと思います。